居酒屋ノート 新橋にて

NHKのドキュメンタリー「にっぽんの現場」で放送されていた「居酒屋ノート 新橋にて」という番組が、非常に共感できる番組で思わず見入ってしまった。
http://www.nhk.or.jp/nippon-genba/yotei.html
出身高校の同窓生というのは、学生時代の同級生や先輩、後輩以外はそれほど意識しない存在のはずだが、人間って不思議なもので、同じ高校の先輩だったら無条件に先輩と思うし、後輩であれば無条件に自分の方がなにか助けてやろうとでもいうような気持ちになってしまう。学校という単位は不思議なものだ。
番組は、新橋の居酒屋に全国の高校別のノートが置いてあって、このノートにメッセージを書き記していくという内容だったのだが、なんともいい。名刺なんか張ってあったりして、同窓生が頑張っているというのが確認できて、きっと勇気づけられる人が多いのだろう。これは中学校や高校という単位だから成り立つもので、大学だったらそうはいかない。
そんな出身高校別のノートが、いつのまにかサラリーマンにとっては、日常から少しだけワープするための装置になっていると同時に、不思議な縁も生み出しているというのが非常に心にしみた。サラリーマンの悲哀とともに、意外なものに助けられているのが不思議であるし、とても面白かった。
サラリーマンっていう括りで一つにまとめるのはいけないのかもしれないが、やっぱりなんだか、生きていることの悲哀とちょっとだけの喜びが画面を通してこちらに伝わってくる。不況の影響で、番組は決して明るい話題ではなかったのだが、ほっとするような、「ちょっといい話」系のドキュメンタリーであった。