多忙の日々

およそ5〜6年ぶりに昔の彼女に会った場合、男はどんな会話をするのだろうか。


私の場合は、感傷に浸ることもできず、ひたすら業務連絡の会話に徹するという、なかなか悲しい会話となってしまった。


訳あって、仕事の話をしなければならなくなったのだが、正直どんな雰囲気で会話をすればいいのか迷ってしまい、こちらから話をすることができず、先方の連絡待ちという何とも情けない状態となってしまった。この感じ、変な緊張感というか、嫌な待ち時間というか、何とも説明できない気分…。


そうして、かつての彼女から連絡があり、実際に話した第一声は…。


「おひさしぶり」。
当たり前だな、まあ…。


少なくとも、むこうが気を使ってくれて自然に話しかけてくれたことで、割と構えることなく話ができた。まあ業務連絡なので、当たり前だけど…。ただ、そんな雰囲気を第一声で作ってくれたことには非常に感謝している。むこうがどんな思いだったのか私にはわからないのだが、男と違って女はあっさりしたものだったのかもしれない。


お互いに責任も増して、かつては想像もしなかったシチュエーションでの会話。仕事自体の成果はあまり芳しくなく満足いくものではなかったが、この時間が終わってみれば、まあホッとしたのが正直なところ。
なんとも言えない一日だったのだが、今度はじっくりと近況などを聞いてみたい。向こうは嫌がるだろうけど。