時代劇存続を求める陳情なのか?

自治体関係者、それも知事や市長らが陳情に行くというのは、ちょっとすごいなあと思った次第。

京都府京都市:「時代劇復活を」 在京キー局回り要望
  TBS系の「水戸黄門」が年内で終了することを受け、京都府京都市の幹部が8日、在京キー局のTBS、テレビ朝日テレビ東京を訪れ、連続時代劇の制作復活を要望した。同日、テレビ東京が時代劇「逃亡者 おりん2」を来年1月から放送すると発表したが、連続時代劇が激減していることを懸念したため。
(中略)
 要望書は山田啓二知事、門川大作市長の連名。時代劇が「日本の文化を世界に発信する上で、非常に有効なコンテンツ」としている。さらに衣装などをつくる職人や撮影スタッフのノウハウ継承には恒常的な制作が不可欠だと指摘。「京都で培われた時代劇づくりを活用し、連続時代劇の制作を継続・復活していただきたい」と訴えている。
 要望書を手渡した京都府の山下晃正企画理事は「海外への展開など、時代劇はテレビ局にとっても、まだまだ魅力的なものになるはず。引き続きお願いしていく」と話した。【毎日新聞 2011年11月8日】

私はドラマ制作現場にいるわけでもないので、あくまでも個人的な意見なのだが、時代劇が民放で復活する余地はあまりないのではないかと思う。理由の一つは若者が好まないこと、もう一つには製作費の問題であり、これは民放のビジネスモデルのせいであって、時代劇の問題ではない。
さらに、団塊世代が高齢者となっていくこれからの時代には、そもそも時代劇の視聴習慣がない高齢者層が増えていくと思われ、もともとお年寄りが見ていることが多かったであろう時代劇は難しいのではないかと思う。


しかしその一方で、「勧善懲悪」的なくくりではなく、歴史ドラマとして見れば、時代劇には未来永劫コンテンツとしての価値はあると思う。
地上波のレギュラー放送はNHKにお任せ、ということになると思うが、映画やスペシャルドラマとしての時代劇には大いに価値があり、時代劇は映画産業としての価値を維持していくことが必要なのではなかろうか。また、NHKには重厚長大な感じの大河ドラマを期待したいなあと思う。ホームドラマ路線は大河ドラマでやらなくてもいいじゃん、と思うから。


しかし、地上波民放局の時代劇は「逃亡者おりん2」だけって言われても、ちょっとピンとこないなあ…。