NHKの会長人事

NHKの会長人事がニュースになっているが、何が問題なのか、正直さっぱりわからない。

巨大なマスコミ機関のトップ人事なので、当然ニュースとなることは理解できるのだが、基本的な問題として、NHK会長というのは何を求められている職なのかわからない、というのが多くの人の感じ方ではなかろうか。

NHK会長人事をめぐり、経営委員会(委員長・小丸成洋(しげひろ)福山通運社長)は15日に臨時委員会を開き、各委員が改めて会長候補者を提案して検討作業を進める。
(中略)
 NHK関係者によると、福地茂雄会長(76)は12日に開かれた経営委員会で意見を求められた際、小丸委員長に永井氏の昇格を求めた。永井氏は技術局長などを経て平成20年から役員。7月に迫った地上デジタル放送の完全移行に向けて尽力した実績などが評価され、「福地会長の信頼が最も厚い人物」とされる。
 これに対し、経営委員の一人は「福地会長の薫陶を受けた人を選ぶのも考え方の一つだ」と賛同する意向を示している。また、内部昇格では、福地会長を支え続けた今井義典副会長(66)も有力候補になると予想する声もある。
 別の経営委員は「改革路線を貫くのなら外部からの登用がいい。拙速人事は避けるべきだ」とする考えを示す。局内には「経営計画にある24年度からの受信料10%還元を実現するには、外部からの強い指導力が不可欠」と冷静に分析する声も出ている。(以下略)【産経新聞

NHKは国営ではなく公共放送だ。我々が払っているのは税金ではなく受信料。
国の大事な機関ではあるが、公務員ではないのだから、NHKの会長なんて内部昇格でいいんじゃないかと思うんだけど。


一方で、私がよく理解できないのはこのコラム。
「政治不在」ここに極まれり!NHK会長人事迷走を招いた元凶は誰か | 岸博幸のクリエイティブ国富論 | ダイヤモンド・オンライン


民主党の調整能力のなさの一例としてNHKの人事問題を取り上げるということは理解できるのだが、政治がマスコミの人事に口出ししちゃいかんと思うのだけど。そもそも、NHKはマスコミである以上、政治と一定の距離を保つべきではないのだろうか。
むしろ、NHKの会長人事が迷走しても、国民にはそれほど迷惑はかからない。放送業界だって、そんなに簡単な業界ではない。経営不振で会社を立て直すために外部人事を行うということならともかく、放送に関する倫理や規定について考えるなら、内部昇格でいいのではないか。
いわゆるNHKの改革や人事問題のことよりも、政界や財界に根回しをして人事が決まる組織というのが問題と思うのだが、私の感覚が正しいという自信は全くない。