B’z メガヒットの秘密

NHKスペシャルの「B'z メガヒットの秘密」を見たが、期待が大きかった分だけ、それほど興味深いものはなかった。しかしその分、あらためてあの人たちの凄みというのが感じられた。
なにせ、ストイック過ぎるのだ。松本孝弘のメロディに対するこだわりがあったが、これはまだ職人のこだわりとしてわからないではない。しかし、稲葉浩志が行っている体のケアには驚いた。ほとんど病的と言ってもいいくらいの気の使いようだと思う。加湿器を4つも使うわ、夏でも氷が入ったお茶は飲まないわで、普通の人間ならストレスで気が狂うんではなかろうかというくらいのやりようだ。
番組はなんだか「情熱大陸」のような、「プロフェッショナル」のような、今風のドキュメンタリーの切り口で見やすい番組ではあった。しかし、その分、何でそんなにB'zの活動に情熱を賭けることができるのか、みたいなことが見たかったと思う。あるいは、なぜこんなにB'zファンが多いのか? みたいなことを現役アーティストから聞いてみたい、などと思った。
一方、アーティストが自分の思いや発想を発表していく人であり、ミュージシャンが音楽を演奏することを生業とする者であるなら、あらためてわかったのは、彼らはアーティストではなくミュージシャンであるということ。音楽を聞いてくれる人を満足させるのが仕事であるという信念には、並々ならぬものを感じた。
しかし、そもそも番組の締めとして、メガヒットの秘密が「愚直なまでの努力」みたいな締めでよかったのだろうか? たしかにそう思うが、それじゃあなんだかつまらない、と思うのは私だけ?