容疑者 室井慎次

今日は一日ヒマだったので「容疑者 室井慎次」を劇場まで見に行った。
私は「踊る大捜査線」のDVDをほとんど持っているような「踊る」ファンなので、
映画の評判がどうこうではなく、半ば義務感のような気持ちで劇場まで足を運んだのだが、
正直これが失敗だった。


君塚良一監督は、脚本の台詞もいいし、ところどころにいいシーンもあったと思うんだけど、
肝心の映画自体がつまらなかった。
一番思った事は、今回の「容疑者 室井慎次」は、
ちょっと虚構の世界になりすぎてしまったのではなかろうかということ。
あんなセットみたいな警察署はないだろうし、あんな沢山の捜査員も普通の署にはいないだろうし、
あんなアホみたいな弁護士もいないだろうし、あんな警察の権力争いもないだろう。
要は、リアリティがないのだ。


踊る大捜査線」の魅力は、リアリティのある設定と適度なフィクションだと思う。
しかし今回の映画は、君塚監督が作品世界に溺れてしまって、こちらが感情移入できるようなものになっていなかった。
「踊る2」もそうだったが、制作陣が大の映画好きということもあり、
映画だからということで、どうも気合が空回りしてるんじゃなかろうか。
ドラマシリーズから映画第一作に至るまでの、
いかにもテレビ的でスピーディな物語が見たかったと思う。