60回目の紅白歌合戦

今年も大みそかは紅白。
というわけで、紅白と日テレを見て大みそかの夜を過ごしたのだが、紅白のほうは、中居正広仲間由紀恵の司会も見飽きたし、出演者にも心ひかれるようなメンツがいなくて、あまり面白くなかった。もう一方の「笑ってはいけないホテルマン」は安定して面白かっただけに残念。今年はテレビを買い替え、2画面でなんとなく見ながら過ごしたのだが、あまり見せ場がなかったなあと思う。
紅白の感想としては、目玉のスーザン・ボイルも、正直言って眠くなるような歌で、youtubeみたいに審査員の驚く顔がなければ普通の歌手であることが分かってしまったし、もう一方の特別ゲストであった矢沢永吉にいたっては、何のための特別出演だったのかさっぱりわからん構成で、あれなら出演しなくてもいいだろう。
ほかにも文句を言いたいことはいくつもあって、たとえば布施明の「マイウェイ」なんて数年に一度は聞いているし、嵐やSMAPのメドレーもつまんない。福山雅治が中継で出演した大河ドラマの番宣も民放の悪いモノマネでしかないし、「こども紅白」に至っては、全く余計な試みでしかない。正直言って、余興や中継の時間を減らし、出場者の歌をフルコーラスを聞いたほうがよっぽどよい。
一定の年代以上の人間にしたら、やっぱりサブちゃんの「祭」をトリで聞くとしっくりくるし、フィナーレを迎えたあとで「ゆく年くる年」のお寺を見ると落ち着く。紅白って、やっぱり単純に歌を歌って、くだらない余興に失笑する方が、紅白らしくてよい。
そういう意味では、歌のみで十分ということを最も如実に表してたのは、オリジナルソングの「歌の力」だった。あれは紅白でしか成り立たないような歌だと思う。昔のテレビ番組のテーマソングみたいで、ちょっと時代遅れの雰囲気が、いかにも紅白のイメージにぴったりだ。あの歌は毎年オープニングで歌ってほしいような、すばらしいメロディだと思う。(それにしても、久石譲のメロディって、なんであんなに耳に残るのだろう? アン・サリーって何者なんだろう? いろんな疑問が次々に浮かび上がってくるオリジナルソングであった)


なんだかんだいって、「歌の力」をもっとも信じなければならない人たちは、NHKの紅白関係者ではなかろうか。