仏教哲学と分子生物学の共通点

最近読んだ中で、共通点に思わず感心したのが、講談社現代新書の2冊。

入門 哲学としての仏教 (講談社現代新書)

入門 哲学としての仏教 (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書)


「哲学としての仏教」で印象深かったのが、「無我」という、同じ状態というものは永遠にあり得ないという考え方である。そして、「生物と無生物の間」で印象深かったのが、本文中で「砂浜の城」に例えて書かれていた「動的平衡」という概念。
仏教と分子生物学にそれほど共通点はないように思うのだが、どちらにも共通する考え方が、「動的平衡」という考え方なのではなかろうかと考えた。
これって世の中のあらゆるものに当てはまる気がする。たとえば組織というものも、常に人材を入れ替え新陳代謝を図らなければ停滞してしまうという考え方ではないのか。
もちろん個人的にも感ずることは多く、生きていくというのは、同じ場所にとどまらず、常に過去とは違う自分であると意識しなければならない、というのが正直な感想であった。