バラエティルーツの旅

3夜にわたって放送されているフジテレビ開局50年の記念番組。きょうは2日目でバラエティの日だったが、やっぱりフジテレビらしい番組だった。豪華なキャスティングと明石家さんまトークで番組を進行する、いかにもCX色のバラエティ。80年代以降脈々と続くバラエティ職人たちの手堅さとキャスティング力を発揮していた番組だった。
ただし、あまりにも出演者が多すぎて、なんだかトンカツとラーメンを一緒に食べてしまったかのような胸焼け感があったのはなぜだろう? 私が年をとって、こういうバラエティにこらえられなくなってしまったのかもしれない。
ひとつ、昔の番組を見ていて驚いたのは、「スター千一夜」でスポンサーの旭化成の社長だか会長だかとタレントさんが普通にパーティで同席していたことだ。今どきだったらタレント側がNG出しそうな気もするが、古き良き時代のニッポンを見た感じで、「なんだかスゲえなあ」と思った。森繁久弥の詩の朗読で番組が終わるなんてのも、いかにもかつてのテレビや芸能界っぽくて、今見るとなかなか味わい深い。
それにしても、あらためて感じるのは、やっぱりテレビは華やかで夢があった方がいいということである。ちょっとしたノスタルジーだが、例えその夢が虚飾の世界でも、夢が見られるという時代は、明るくていい。きっとテレビも、「なるほど・ザ・ワールド」全盛期くらいの時代、いわゆるバブル前くらいまでは、いい意味で派手であり、適当に遊びがあって、刺激的だったように思う。