録画も視聴率測定?

テレビの視聴率は、あくまでも生で見ている人のカウントをすることが前提である。そんな大前提を覆すような発明となるのか?

テレビ視聴率調査の「ビデオリサーチ」は、これまで集計できなかった「録画による視聴率」を測定できる装置を開発した。
 番組放送時の視聴データしか測定できない現在の視聴率が、実態を反映していないという批判が多いだけに、視聴率そのものを根本的に見直す契機になりそうだ。
(中略)
 今回、同社が開発した新測定機器は、録画番組の視聴時にテレビから出る音声をデータベースと照合することで、どの番組を見たかを判定できる。チューナー内蔵パソコンによるテレビ視聴を測定する装置も開発した。これらは同社が5、6日に東京都内で開くフォーラム「データビジョン2009」で正式に公表する。同社は、「この技術により、より正確な番組視聴実態の把握が可能になった。導入にはテレビ局や広告主企業など関係業界の意見の調整が必要。検討してもらいたい」としている。【読売新聞】

「テレビの視聴率は、そもそも何のために測定しているのか」という問いに対する答え次第で、この装置が持つ意味あいは変わってくるのだと思うが、基本的に視聴率というのは広告主が広告効果を測定するための指標であり、広告取引のための指標であるというのが、そもそもの視聴率の成り立ちだと思う。そうすると、録画した番組はCMスキップする人が多いだろうから、広告主の建前として、録画した番組の視聴率を測定できたところで意味がないということになるのではなかろうか?
もちろん、「番組を見た人の数」という指標として視聴率を参考にするという側面もあるので、新発明の装置が全く意味がないとは言えないだろうが、この数字が取引指標の一つとして使われることはちょっと考えづらい気がする。録画した番組の視聴率が測定できたとしても、どういった意味を持たせるのかというのは、全く別の問題ではなかろうか。