テレビの手練たち

テレヤツはやっぱり面白い。
きょうの「久米宏のテレビってヤツは!?」には、おすぎ・ピーコ・宮崎哲弥秋元康室井佑月がコメンテーターとして出演。ベテランならではのコメント、見方、いろんなものが54分の枠の中に詰まっていて、見ていると非常に刺激になった。視聴率を題材に話すという行為は、ともすれば非常に陳腐な出来になりかねないと思うが、彼らが今のテレビをどう見ているのか、視聴者としての意味も含めてテレビに対する視線がわかった。
リーマンブラザーズの破たんについては、私もやはり認識が足りなかったという気持ちもあるし、バラエティ番組に対する視線にも共感できるものがある。しかし、NHKの19時のニュースなんてのは、ある程度速報であると思うので、事件事故に対するニーズも多いのだろうと思うし、あるいは番組中で秋元康が話していた「ユルい」という言葉も、はじめは違和感があったが、緊張していないという意味でなく「難しくない」という意味での「ユルい」ということだったのか? などと考えると、私も考えることが多い番組であった。
テレビにはある程度の制約がつきものであり、わかりやすくするためには結論しか言えないという部分もあると思う。しかしテレビ出演の熟練者たちは、軽やかに、歯切れよく言葉を連ねていく。本当に素晴らしいと思うし、あんな立派なテレビ番組を作ったことがないローカル局員でも何らかの意味を感じられる、立派なテレビ批評だと思う。決して「ユルい」番組ではなく、むしろ目に見えないテンションを保っていた番組だ。