AC=公共広告機構

毎日新聞の記者の方が面白いコラムを書かれていたので、ちょっとばかり引用させていただきます。

「エーシー」
耳に残る声で終わるテレビCMを知らない人は少ないはずだ。
一般企業、広告会社、新聞・放送などで運営する民間組織の「公共広告機構(AC)」。環境や公共マナー、青少年問題、医療・福祉など現代が直面するテーマを取りあげ、独自のキャンペーンを展開している。大阪市で71年に誕生した関西公共広告機構が前身だ。創設に動いた中心人物の一人が、サントリーの名物経営者、故佐治敬三さんだった。
あの「ランランリラン♪ シュビラレ……」という曲に乗せた「オールド」のCMが、すでに流れていた時代。売らんがためだけの広告に満足しなかった佐治さんは、自社のみならず、広告に商売の世界を超えた価値をもたせたかったようだ。
(中略)
時代は流れ、佐治さんの思いとはかけ離れた話が増えた。「偽装」などは論外だが、「もうけてどこが悪い」との開き直りに、「拝金主義がまん延している」と言い立てる声にも息苦しさを感じる。面白いことを見つけて、面白がる余裕をなくしつつある世の中の反映と思えるからだ。
あす3日は、佐治さんの九回忌。もうけて、あるいは稼いで、「何をしたいのか」。自らに問うてみたい。
毎日新聞 2007年11月2日 0時07分)

このACのCM、不祥事を起こした企業がCM枠を買っていた場合に、CM枠を外す作業が間に合わず、やむを得ずオンエアする場合がほとんどである。不祥事を起こすと社会の役に立つというのは、なんとも皮肉というか、世の中うまくできているというか……。